2026年3月18日(水)、衆議院第一議員会館 国際会議室にて第96回「日本の医療の未来を考える会」が開催されました 。
今回のテーマは「身寄りのない単身高齢者(お一人さま)への支援」です 。超高齢社会を迎えた日本において、身元保証人がいないことによる入院・入所の拒否、孤立問題、死後事務のあり方など、医療・福祉の現場が直面している切実な課題について、日本福祉大学教授の藤森克彦氏による講演と活発なディスカッションが行われました 。
当日の講演や質疑応答では、主に以下の重要なポイントが示されました。
◆家族形態の急激な変化
2050年には全世帯の44.3%が単身世帯となり、高齢男性の単身者のうち60%が未婚者になると推計され、老後を家族に頼ることが一層困難になる 。
◆身元保証と入院・転院の壁
病院側の事情(費用滞納への備えや緊急時対応など)から身元保証人が求められることが多く、保証人がいないために転院を断られるケースが実際に多数発生している 。
◆「家族機能の社会化」に向けた動き
日常生活支援や死後事務を担う民間事業者の増加、国による「居住サポート住宅」制度の施行、これらを第二種社会福祉事業へ法的に位置付ける検討など、公的な枠組み作りが始まっている 。
◆孤立を防ぐ3つの鍵
お一人さまを支えるには、①信頼関係を基盤に声をかける「伴走者」、②医療・介護・民間が事前に繋がる「地域ネットワーク」、③インフォーマルな繋がりを築く「居場所(互助会)」の3つを地域に構築することが不可欠である 。
◆法的権限の確保の重要性
伴走者や病院が善意で支援を行う際のリスクを回避するためにも、公証役場を活用した「任意後見契約」や「死後事務委任契約」によって、事前に法的権限を確保しておく運動の有効性が提示された 。
これからの「誰一人取り残さない社会」の実現に向け、行政・医療・介護、そして民間専門職がハブとなり、地域全体で切れ目のない「伴走型ネットワーク」を構築していく必要性を強く再認識する貴重な機会となりました 。
当事務所でも、任意後見や死後事務委任などの法的手続きを軸に、お一人さまが社会から孤立しないためのトータルサポートに引き続き取り組んでまいります。